「オックスフォード&ケンブリッジ大学世界一『考えさせられる』入試問題」を紹介

本紹介

本書ジョン・ファーンドン氏が2017年に出版した本である。題名の通り思考力の問われる問題を、筆者が答えの例として解答を記している。問題を少し書いてみると

あなたはクールですか?〈哲学、政治学、経済学〉

ネイチャー(nature)はナチュラル(natural)ですか?〈地理学〉

木を描くとします。その木は現実のものですか?〈現代言語学、中世言語学〉

毛沢東主席は今日の中国を誇りに思っただろうと思いますか?〈東洋研究〉

など様々である。ご覧の通りイギリスらしい洒落た問題ばかりだ。そしてこれらの問題は実際の試験では筆記ではなく、面接官に問われるというところが驚きだ。こんな問題たちを18歳の若者たちに面と向かって投げつけるのだ。恐ろしい世界。

前途した通り回答は筆者が書いているので実際の受験者がこの本のように回答できたわけではない。しかし、学べる部分は大いにある。

「あなたはクールですか?」の問いに対して筆者はまずこう書いている。

この質問は、暑い日にもあなたの体は熱くなりませんか、という意味にとれる。それなら私は自信たっぷりに「はい」と答えよう。実際、どの程度までクールかと言うと、十分の何度かまでわかる(三十六・八度)。

オックスフォード&ケンブリッジ大学世界一『考えさせられる』入試問題

この文が鼻につくかどうかはさて置き、これを書くことによってこれから本格的に問題を考えていく助走のような効果があると思う。「まずこうとも捉えられますが、ここから展開していきますよ」という暗示的な要素もあるだろう。そしてこの後

人間と他の哺乳類の体温調節について
        ↓
現代でいうところの「クール」はもはや「クール」じゃない点について
        ↓
元々の「クール」を過去の本、美術たちの記す「クール」で紹介
        ↓
現在の「クール」の起源
        ↓
「クール」の性質の変遷
        ↓
その上で「クール」に対しての自分の意見

といった構成になっている。この回答例ではかなり知識が必要になっている。しかし、それはしょうがないことなのかもしれない。としたら、今ある知識をどうやって「クール」に繋げるかが問題だろう。勿論、知識が多くあった方が回答の質は上がるだろうが、いかに自分の頭にあるものを上手く扱えるかが「思考力」ということだろう。

まとめ

私は中学生のころから友人の手を借り続けて宿題を提出したり、ネットですぐ検索したり、怠けたりしたせいで自分で考えるということが全然できない無能になってしまったと思っています。なんとかして脱却しなければいけませんね。本書は色んな人に役立つと思います。

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